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AI副業を会社に申請する書き方|業務委託の欄はどう埋める

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「副業OKの会社なのに、申請書が書けない」。AI副業を正面から始めようとして、最初につまずくのがここです。

人事から渡された副業許可申請書には、副業先の会社名・所在地・勤務曜日・始業終業時刻を書く欄が並んでいます。クラウドソーシングで記事を書く、資料を作る。こうした業務委託の副業では、その欄がどれも埋まりません。

空欄だらけで出せば差し戻されます。かといって想像で埋めると、あとから申告内容と実態が食い違います。

この記事でわかること

  • 業務委託のAI副業で、申請書のどの欄をどう言い換えるか
  • 会社が本当に確認したい3項目(厚生労働省のガイドライン)
  • 申請が止まりやすい書き方と、その直し方

(法令・ガイドラインの最終確認日:2026-09-06。制度は改定されることがあるため、判断の前に必ず公式情報でご確認ください)

結論|業務委託の副業は3項目で足りる

会社が確認したい中身は、実は多くありません。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、使用者が労働者から確認する事項として次の3つを挙げています。

  1. 他の使用者の事業場の事業内容
  2. その事業場で労働者が従事する業務内容
  3. 労働時間通算の対象となるか否かの確認

細かい項目の扱いは違います。契約の締結日・所定労働日・始業終業時刻は、労働時間通算の対象になる場合に併せて確認するものという位置づけです。業務委託は通算の対象になりません(根拠は後述します)。

つまり、始業終業時刻の欄が埋まらないのは、あなたの書き方が悪いからではありません。申請書の書式が雇用型の副業を前提に作られているだけです。

やることは3つです。

  • 就業規則で、許可制なのか届出制なのかを確かめる
  • 埋まらない欄を「書けない理由」ごと書き換える
  • 会社が心配する4点に、先回りで一文を足す

順に見ます。

申請の前に就業規則で確かめる3点

書式より先に、社内ルールの読み込みが要ります。ここを飛ばすと、書き方が正しくても差し戻されます。

許可制か届出制か

副業の扱いは会社によって違います。許可制なら承認が下りるまで着手できません。届出制なら提出した時点で始められるのが一般的です。

厚生労働省のモデル就業規則は、勤務時間外に他の会社等の業務へ従事できる、という原則を置いています。ただしモデル就業規則はひな形であり、自社の規程がそのままとは限りません。就業規則の「副業・兼業」の条文と、提出先・提出期限を先に押さえてください。

禁止される範囲

ガイドラインは、裁判例の整理として、企業が副業を制限できるのは次の4つの場合だとしています。

  • 労務提供上の支障がある場合
  • 業務上の秘密が漏洩する場合
  • 競業により自社の利益が害される場合
  • 自社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合

裏を返すと、申請書はこの4点に触れないことを示す書類です。書く内容もここに合わせると通りやすくなります。

競業避止の線引き

AI副業でいちばん引っかかりやすいのが3つ目の競業です。判定は業種ではなく顧客で見ると分かりやすくなります。

本業の会社が売っている相手と、副業で受ける相手が重なるか。重なるなら申請前に人事へ相談してください。たとえば本業がシステム開発会社の営業で、副業で中小企業向けのAI導入支援を請ける場合、顧客層が重なる可能性があります。

埋まらない欄の言い換えと記入例

雇用と業務委託では、申請書に書ける情報の種類が変わります。違いを整理します。

副業申請 | 雇用と業務委託の違い

申請書の欄がどう変わるか

業務委託は書けない欄が出ます。空欄ではなく理由を書きます

労働時間の通算申請書に書く相手始業・終業時刻の欄
雇用の副業 アルバイト等 × 通算される ○ 勤務先を書ける ○ シフトどおり書ける
業務委託のAI副業 クラウドソーシング等 ○ 通算されない △ 案件ごとに違う △ 所定なし。上限で書く
  • ※通算されないのは労働基準法上の扱いです。健康管理や職務専念義務は別に問われます
  • ※許可制の会社では、書式が合わなくても欄を勝手に消さず、人事に確認してから直します

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欄ごとの言い換えは次のとおりです。

申請書の欄業務委託ではこう書く
副業先の会社名クラウドソーシングを通じた業務委託。発注者は案件ごとに異なる
所在地自宅で作業。常駐や出社はなし
雇用形態雇用契約ではない業務委託。労働時間通算の対象外
事業内容発注者の業種を大枠で書く(例:Webメディア運営)
業務内容生成AIを補助に使った記事の構成・執筆・校正
勤務曜日・勤務時間所定なし。平日は1日2時間まで、月40時間を上限とする
開始日・契約期間2026年10月1日から。案件ごとの単発契約
報酬1件あたりの成果報酬。月◯円程度を見込む

記入例にすると、こうなります。

副業の形態:業務委託(雇用契約ではありません) 発注者:クラウドソーシングサイトを通じた法人・個人。案件ごとに異なるため特定の1社ではありません 業務内容:Webメディア向け記事の構成・執筆・校正。生成AIを下書きと校正の補助に使います 作業時間:所定労働時間はありません。平日20時以降に1日2時間まで、月40時間を上限とします 場所・設備:自宅。私物のPCと個人契約の回線のみを使います 誓約:業務上知り得た情報は副業に一切持ち出しません。当社と顧客層が重なる業務は受託しません

作業時間を「上限」の形で書くのがポイントです。実態のない始業終業時刻を書くより、上限を自分で宣言するほうが、会社の健康管理の懸念に正面から答えられます。

労働時間の通算は業務委託に及ばない

申請書で説明に困る「通算」について、根拠を確認しておきます。

厚生労働省のガイドラインは、労働基準法が適用されない働き方は労働時間が通算されない、としています。例として挙げられているのが次の働き方です。

  • フリーランス・独立・起業
  • 共同経営
  • アドバイザー・コンサルタント・顧問

クラウドソーシング経由の業務委託は、この最初の類型に当たります。

雇用のダブルワークでは、本業と副業の労働時間を足して法定労働時間を超えた分が出ます。その割増賃金をどちらの会社が払うか、という問題が起きます。業務委託では、この問題自体が発生しません。会社の事務負担が増えないため、申請書にはっきり「業務委託であり通算の対象外」と書くほど話が早くなります。

ただし、いくらでも働いてよいという意味ではありません。ガイドラインは通算されない場合にも触れています。本人からの申告等で就業時間を把握し、長時間にならないよう配慮するのが望ましい、という内容です。上限時間を自分で書くのは、この趣旨にも沿います。

なお、副業の割増賃金の通算ルールは見直しが議論されてきました。ただし労働基準法の改正案は、2026年の通常国会への提出が見送られています。2026年9月時点では現行のガイドラインが有効です。制度が動く可能性はあるため、申請の直前に厚生労働省のページを見ておくと確実です。

AI副業だから足しておきたい一文

生成AIを使う副業では、会社が気にする点が1つ増えます。情報の持ち出しです。

申請書に「生成AIを使う」とだけ書くと、社内資料をそのままAIに入れるのではないかと疑われます。次の3点を先回りで書いておくと、その懸念が消えます。

  • 会社の情報を入力しない:本業の資料・顧客名・未公開の数値は、副業で使うAIに一切入れないと明記します
  • 会社の設備を使わない:私物PCと個人契約の回線のみ、と書きます。社内アカウントやVPNは使いません
  • 競合しない相手だけ受ける:本業と顧客層が重なる案件は受託しないと書きます

このうち情報の扱いは、副業先に対しても同じ問題が起きます。クライアントからもらった資料をAIに入れてよいかは、契約と各AIの規約で条件が変わります。詳しくはクライアント資料をAIに入れてOK?副業の守秘義務の線引きにまとめました。

通る申請と止まる申請の分かれ目

同じ内容でも、書き方で通り方が変わります。差が出るのは次の3点です。

空欄のまま出さない

書けない欄を空欄で提出すると、人事は判断できず差し戻します。「所定なし(業務委託のため)」のように、書けない理由を欄の中に書くだけで審査が進みます。

本業への影響を先に書く

申請書の自由記述欄は、副業の魅力を語る場所ではありません。会社が読みたいのは、本業に支障が出ないかどうかです。作業する時間帯・上限時間・繁忙期の扱いを、最初の3行に置いてください。

収入を大きく見せない

「月10万円を目指します」と書く必要はありません。金額が大きいほど、労務提供上の支障を疑われます。見込みは控えめに、実績が出てから更新すれば足ります。

逆に、次のような書き方は止まりやすくなります。

  • 副業先を「未定」とだけ書く(事業内容と業務内容が確認できない)
  • 「空き時間に少しだけ」など、時間の上限が読み取れない書き方
  • 本業と同じ商材・同じ顧客層の仕事を、そのまま業務内容に書く
  • 会社のPCやアカウントを使う前提で書く

申請が通ったあとにやることは、受注できる場所を整えるだけです。申請書に発注者を書きにくいという事情もあります。契約と支払いの記録がサイト上に残るクラウドソーシングのほうが、個人間の直接取引より会社に説明しやすくなります。

よくある質問

Q. 副業先が決まっていない段階で申請してよいですか。

A. 会社の運用によります。ガイドラインが確認事項に挙げているのは事業内容と業務内容です。「Webメディア向けの記事執筆をクラウドソーシング経由で受ける」まで書ければ、審査できる形にはなります。許可制の会社では、初回の受注が決まった時点で内容を追記する運用にできないか、人事へ聞くのが早道です。

Q. 収入が少ないうちは申請しなくてもよいですか。

A. 金額の多い少ないと、就業規則上の義務は別の話です。届出制でも許可制でも、定めがあれば提出が必要です。無申告のまま続けて後から発覚すると、副業の中身ではなく手続き違反が問題になります。

Q. 申請したら住民税で本業の会社に金額まで知られますか。

A. 副業の所得は確定申告を通じて住民税に反映されます。徴収方法の選び方で扱いが変わる部分があるため、副業が会社にバレない住民税のやり方|普通徴収の落とし穴【2026年版】で仕組みを確認してください。申請済みであれば隠す必要はありません。

Q. 業務内容に「生成AIを使う」と書くと不利になりますか。

A. 使う事実より、会社の情報を入れないという記載の有無で見られ方が変わります。入力しないものを具体的に書けば、むしろ管理できている印象になります。

Q. 申請が却下されたらどうすればよいですか。

A. 理由を聞いてください。競業や情報漏洩の懸念であれば、受ける案件のジャンルを変えることで解消できる場合があります。労務提供上の支障が理由なら、上限時間を下げた内容で再提出する方法があります。

まとめ

  • 申請書の書式は雇用型の副業を前提にしているため、業務委託では欄が埋まらないのが普通です
  • ガイドライン上、会社が確認する事項は事業内容・業務内容・通算対象かどうかの3つ
  • 業務委託は労働時間の通算対象外です。申請書にその旨を書くと、会社の事務上の懸念が減ります
  • 埋まらない欄は空欄にせず、「所定なし(業務委託のため)」のように書けない理由ごと書きます
  • 作業時間は上限を自分で宣言します。会社のPC・会社の情報を使わないことも明記します

正面から申請しておくと、実績を隠さずに書けるようになります。会社にも副業先にも説明できる状態で始めるほうが、結果的に長く続きます。

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