商品画像のAI加工はどこまでOK?楽天とAmazonの線引き
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クラウドソーシングには、商品画像の加工案件が並んでいます。切り抜きと背景の差し替えだけなら、AIで数分の作業です。速さは武器になります。
ただし納品先はECモールです。ルールを外した画像は、発注者の店舗にペナルティを残します。制作した本人には、その事実が届きません。次の依頼が来なくなって、はじめて気づきます。
この記事でわかることは3つです。
- AI加工が「アウト」になる線はどこにあるか
- 楽天とAmazonでルールがどう違うか
- 受注前に確認する4点と、事故を防ぐ納品の型
結論は実物を変えたら失格
商品そのものを変える加工はアウトです。見せ方の加工には余地があります。 この一線が、AI加工案件の判断軸になります。
背景の差し替え、切り抜き、明るさの調整は、多くの場面で許容されます。一方、実物にない光沢を足す、内容量を多く見せる、実物と違う色に寄せる。この3つは景品表示法の問題になります。
もう1つ、モールごとの画像ガイドラインという壁があります。法律に触れない加工でも、楽天やAmazonの規定を外せば掲載できません。「法律」と「モールの規約」は別々に確認が必要です。
アウトになる3つの線
実物より良く見せた時点で景表法
消費者庁は優良誤認表示を、実際のものより著しく優良だと一般消費者に示す表示と説明しています。挙げられている例は、カシミヤ混用率80%のセーターに「カシミヤ100%」と表示するケースです。措置命令の対象になり、課徴金納付命令の対象にもなります(最終確認日:2026-09-12)。
画像に置き換えると、こうなります。
- 実物にはない照りやツヤをAIで足す
- 盛り付けの具材を、実際の内容より豪華に生成する
- ベージュの商品を、白に近い色へ補正する
いずれも「実物との差」を作る加工です。返品やクレームの直接の原因にもなります。
モールの画像ガイドライン
2つ目の線はモールの規約です。違反の重さはモールが決めます。楽天市場では違反点数が加算され、Amazonでは検索結果に出なくなる場合があります。
ペナルティを受けるのは出品者です。制作した副業ワーカーに点数は付きません。だからこそ、発注者の信頼を一度で失います。
制作方法を偽った時
3つ目は表示のしかたです。弁護士法人内田・鮫島法律事務所の解説によると、日本の法律に「AI生成である」と表示する一般的な義務はありません。景品表示法が規制するのは不表示ではなく、積極的な誤認表示だと整理されています。
危ないのは逆のパターンです。「手描き」「描き下ろし」とうたいながら、実際はAI出力を使う場合。制作方法は商品の内容として購買判断に影響するため、優良誤認のリスクが高いと指摘されています。
楽天とAmazonのルールの違い
同じ「1枚目の画像」でも、要求されるものが違います。
EC商品画像 | AI加工の可否
楽天市場とAmazonの1枚目ルール
どちらも1枚目がいちばん厳しく、2枚目以降は自由度が上がります
| テキストの扱い | 背景の加工 | ルールの対象範囲 | |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 第1商品画像 | △ 占有率20%以下まで | △ 自然に見える合成背景は可 | ○ 1枚目とSKU画像のみ |
| Amazon メイン画像 | × テキスト・ロゴは不可 | △ 純白背景が原則 | △ メイン画像が特に厳格 |
- ※最終確認日:2026-09-12。ガイドラインは改定されます。受注前に各モールの公式ヘルプで確認してください
AI副業ラボ
楽天は1枚目だけが対象
楽天市場の商品画像登録ガイドラインで縛られるのは、第1商品画像とSKU画像です。2枚目以降は比較的自由に作れます。
第1商品画像のおもな条件は次のとおりです。
- テキスト要素の占有率は画像全体の20%以下
- ロゴ、商品名、スペック、キャッチコピーもテキストに数える
- 枠線は付けない
背景は2024年6月の改定で扱いが変わりました。それまでの白背景と実写背景に加えて、自然に見える合成背景が使えるようになったと解説されています。原色のベタ塗りや、商品より目立つ派手な背景は対象外です。
判断に迷う画像は、RMSの商品画像判定機能にかけると結果が出ます。ガイドライン違反のまま登録を続けると、違反点数5点が1店舗に加算されます。点数は画像の枚数分ではなく店舗単位です。
Amazonはメイン画像が最も厳しい
Amazonのメイン画像は、純白の背景(RGB 255,255,255)が要件とされています。商品が画像の85%以上を占めること、テキストやロゴ、透かしを入れないことも求められます。
公式のヘルプページは出品者アカウントでのログインが必要です。ここでは複数の解説を照合した内容を記載しました。受注前に、発注者にヘルプの現行版を確認してもらうのが確実です。
背景合成の余地は楽天より狭くなります。凝った背景を作りたい場合は、2枚目以降のサブ画像で提案するほうが通ります。
受注前に確認する4つのこと
案件ページの説明文だけでは判断できません。応募時か受注直後に、次の4点を発注者に聞きます。
- どのモールの、何枚目の画像か:楽天の1枚目とAmazonのサブ画像では、作るものが変わります
- 実物の写真は支給されるか:支給がゼロで「商品をAIで作って」という依頼は、優良誤認に直結します
- AIの使用可否と申告の要否:禁止の案件もあります。判断に迷う時はクラウドソーシングのAI禁止案件|見分け方と安全な使い方を確認してください
- 修正の回数と違反時の扱い:ガイドライン違反での作り直しを無償修正に含めるかを、先に決めます
4番目は後からもめやすい部分です。回数の決め方はAI副業の修正が終わらない|何回まで受けるかの線引きにまとめています。
事故を防ぐ納品の型
工程を固定すると、判断のブレが減ります。
- 商品本体は支給された実写を使う:AIで触るのは背景と余白だけにする
- 色は実物基準にそろえる:見栄えのために彩度や明度を寄せない
- 影と輪郭を確認する:切り抜きのガタつき、浮いた影は合成とわかる
- 1枚目と2枚目以降を分けて作る:規約が厳しい1枚目はシンプルに、訴求は2枚目以降へ
- どの工程にAIを使ったか説明できる状態にする:後から質問された時に答えられる
「実物の写真がない案件は受けない」を自分のルールにすると、いちばん危ない橋を渡らずにすみます。
注意点と人を選ぶ点
責任の所在は契約で決まります。違反点数は店舗に付きますが、制作者への請求が起きないとは限りません。継続案件では、業務委託契約書の免責条項に目を通してください。
工数の見積もりにも注意が必要です。生成そのものは速く終わります。時間を取られるのは、ガイドラインの確認、判定ツールの結果待ち、色の突き合わせです。生成の速さは、そのまま時給になりません。
この仕事に向くのは、細かいルールを読むのが苦にならない人です。逆に、デザインの自由度を求める人には物足りません。1枚目の画像は、表現を削る作業だからです。
案件を探せる場所
商品画像の加工は、クラウドソーシングに出やすい仕事です。撮影スタジオを持たない小さな店舗ほど、外注に回します。
登録先を1つに絞ると、条件の悪い案件しか見えません。複数のサイトを併用して、母数を増やしておくほうが選べます。
よくある質問
Q. AIで作ったと発注者に伝える必要はありますか。
法律上の一般的な義務はありません。ただし案件の規約でAI使用を禁じている場合があります。伝えずに納品して後から発覚すると、報酬の取り消しにつながります。先に申告するほうが安全です。
Q. 着用モデルをAIで生成してもよいですか。
商品の見え方が実物と変わるため、1枚目には向きません。サイズ感や質感の印象が実物とずれると、優良誤認の指摘を受ける余地があります。使うならサブ画像で、発注者の合意を取ってからにしてください。
Q. ガイドライン違反が見つかったら誰の責任になりますか。
モールからのペナルティは出品者が受けます。制作者との間の扱いは契約次第です。修正の負担をどちらが持つかを、受注前に決めておいてください。
Q. 生成に使うツールは何でもよいですか。
ツールごとに商用利用の条件が違います。無料プランでは商用利用を認めない例もあります。使う前に、そのツールの利用規約を確認してください。
まとめ
商品画像のAI加工で守る線は、次の3つです。
- 実物を変えない(景品表示法の優良誤認)
- モールの1枚目ルールを外さない(楽天は20%と枠線、Amazonは純白と85%)
- 制作方法を偽らない
この3つを外さなければ、AIの速さは強みになります。逆に、実物の写真すら渡されない案件は、速さの前に危険度を見てください。
料金やガイドラインは改定されます。受注のたびに公式ヘルプを開く習慣が、いちばん確実な予防策です。
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