AIで資料作成代行の副業は稼げる?単価と案件の取り方
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「パワポなら本業で毎週作っている。これ、副業にできないだろうか」——AIで資料作成が一気に速くなったいま、そう考える会社員は増えています。実際、下書きレベルのスライドなら数分で出てくるようになりました。
ただし、速く作れることと、高く売れることは別の話です。この記事では、資料作成代行という副業の単価の現実、手数料で実際にいくら引かれるのか、AIがどこまで肩代わりしてくれるのか、そして多くの解説記事が触れていない「クライアントの資料をAIに入れてよいのか」という問題まで、順番に整理します。
結論:AIで速くはなるが、報酬は「AIが作れない部分」で決まる
先に結論です。生成AIはスライドの見た目と骨組みを速く作れますが、発注者がお金を払っているのは「何を、どの順番で伝えるか」という中身の判断です。ここはAIに丸投げできません。
つまり、AIを使うと1件あたりの作業時間は短くできる(=時給換算は上がる)一方、AIで誰でも作れる範囲の仕事は単価が下がっていきます。稼ぎ方は「安く速く量をこなす」ではなく、「構成から任せてもらえる相手を作る」方向に置くのが現実的です。
そもそも資料作成代行はどんな仕事か
ひとくちに資料作成代行といっても、求められるものはかなり違います。クラウドソーシング大手クラウディアの運営メディアでは、パワーポイントを使った副業として次のような種類が挙げられています(最終確認日:2026-07-26/出典は末尾)。
- 資料作成アシスタント:指示に沿ってスライドを作る、いちばん入りやすい仕事
- 既存資料のデザイン改善:内容はそのままに、見た目を整え直す
- PDFや画像データのパワポ転記:単純作業寄り。単価は低め
- テンプレート販売:作って売る在庫型。当たれば継続収入になる
- 講師・AI活用の指導:作る側から教える側へ回るパターン
副業で最初に触れるのは、ほぼ上の1〜3番です。1と3は入りやすい代わりに単価が伸びにくく、2は元の資料を批評する力が要る代わりに単価が上がりやすい、と覚えておくと選びやすくなります。
単価の目安:1枚いくらが現実か
公開されている料金情報を並べると、おおよその位置関係が見えてきます(いずれも最終確認日:2026-07-26)。
| 依頼先 | 1ページあたりの目安 |
|---|---|
| 専門業者(法人) | 数千円〜2万円程度 |
| フリーランス個人 | 数千円 |
| クラウドソーシングの一般案件 | 1,000〜3,000円程度が相場とされる |
| 実績づくり段階 | 400〜500円程度の提示も見られる |
法人向け代行サービスの料金表では、1ページ3,000円台からページ数に応じて単価が下がる方式や、デザイン重視で1ページ15,000円という設定もあります。一方、既存資料のデザイン改善をまとめて請ける形だと20,000〜50,000円という単位の案件もあります。
つまり、同じ「資料作成」でも1枚400円の世界と1枚15,000円の世界が同居しているということです。ここを意識せずに応募すると、いつまでも400円側にとどまってしまいます。
手数料で引かれる額も先に計算する
見落としがちなのが手数料です。表示額がそのまま入るわけではありません(最終確認日:2026-07-26/各社公表値)。
- ランサーズ:契約金額(税込)の16.5%が一律で引かれる
- クラウドワークス:報酬額の区分に応じた段階制で、最大20%(税込)
- ココナラ:販売時の手数料は一律22%(税込)。ビデオチャットは27.5%
1枚1,000円で10枚、1万円の案件を受けたとして、ココナラ経由なら手取りは約7,800円です。ここから作業時間を割ると時給が見えてきます。「受ける前に手取りで考える」だけで、消耗する案件をかなり避けられます。
資料作成代行 | 案件をどこで取るか
クラウドソーシング・ココナラ・代行会社の違い
始めやすさと手取りは、だいたい逆の関係になります
| 実績ゼロでの始めやすさ | 手数料・取り分 | |
|---|---|---|
| クラウドソーシング クラウドワークス/ランサーズ等 | ○ 募集数が多く応募はすぐできる | △ 最大20%前後が引かれる |
| ココナラで出品 待ちの営業になりやすい | △ 出品しても見つけてもらう工夫が要る | × 一律22%(税込)と高め |
| 代行会社に登録 継続案件になりやすい | × 実績やポートフォリオを求められやすい | △ 報酬は会社の設定次第 |
- ※手数料はいずれも2026-07-26時点の各社公表値です。改定されることがあるため、申し込み前に必ず公式サイトで確認してください。
- ※どの経路でも受注・収入を保証するものではありません。
AI副業ラボ
AIはどこまでやってくれるのか
使い分けの考え方
資料作成でAIを使う場面は、大きく2つに分かれます。
- 文章・構成をつくる:ChatGPTやClaudeに「この内容を提案書の流れに直して」「1枚ごとの見出しと要点を3つずつ」と頼む
- スライドの形にする:GammaやイルシルのようなAIスライド生成ツールに文章を渡して形にする
実務で効くのは圧倒的に1番です。2番は見栄えを整えるだけなので、そこで差はつきません。
無料で試すときの制限は先に確認する
たとえば日本語のスライド生成に強いイルシルの場合、公式サイトによると無料のフリープランは「作成できる資料は3個まで」「AI生成は月3枚まで」「PDF・PowerPoint形式での出力に非対応」となっています。有料のパーソナルプランは月額1,848円(税込)です(最終確認日:2026-07-26/公式サイト)。
納品する副業ではPowerPoint形式で書き出せるかどうかが死活問題なので、無料プランのまま案件を受けると詰みます。Gammaなど海外ツールも料金・プラン内容が頻繁に変わるため、契約前に必ず公式で最新を確認してください。
AIが苦手なこと
- 相手の社内事情を踏まえた優先順位づけ:誰に何を通す資料かはAIには分かりません
- 数字の裏取り:AIが出した数値をそのまま入れると事故になります
- 企業のトンマナ(指定フォント・配色・ロゴ規定)への追従
このうち1番目が、そのまま単価の源泉になります。
見落としがちな最大の注意点:クライアントの資料をAIに入れてよいのか
ここが、この副業でいちばん危ないところです。
資料作成代行では、発注者から未公開の売上数字・営業戦略・顧客名などを含む元データを渡されることがあります。これを何も考えずに生成AIに貼り付けると、秘密保持契約(NDA)の「目的外利用の禁止」「第三者への開示禁止」に抵触する可能性があります。契約違反と判断されれば、報酬が飛ぶだけでは済みません。
対策はシンプルです。
- 契約前に「AIツールを使ってよいか」を確認する。 使ってよい場合も、どこまでかを文面で残す
- 固有名詞・実数値はAIに渡さず、自分で後から差し込む。 構成づくりだけAIに任せる形なら大半の案件で成立します
- 学習に使われない設定・プランを選ぶ。 無料プランは入力内容が学習に使われる場合があるため、業務で使うなら設定を確認する
「AIを使って速く納品します」と正直に伝えたうえで受注できる相手を選ぶのが、結局いちばん安全で、単価も安定します。
案件の取り方:実績ゼロからの順番
- サンプルを3本作る。 実在企業の資料は使わず、架空のサービスで「営業提案」「社内報告」「セミナー登壇」の3パターンを自作します
- 単純作業寄りの案件で評価を稼ぐ。 PDFのパワポ転記などは競争が緩く、評価だけ先に積めます
- 応募先を1つに絞らない。 同じスキルでも、サービスによって募集数も競争率も違います
- 継続案件に移す。 単発を5件こなすより、月4本の継続1社のほうが安定します
特に3番でつまずく人が多い印象です。大手2社だけ見ていると「応募したい案件が今日は無い」で手が止まります。応募できる場所を増やしておくと、競争率の低い募集に出会える確率が上がります。
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単価を上げる3つの方向
- 「作る」から「直す」へ。 既存資料のデザイン改善はまとめ単価で受けやすく、1枚いくらの消耗戦から抜けやすくなります
- 業界を絞る。 「BtoB SaaSの営業資料専門」のように狭めると、構成の型が資産になって作業時間が下がります
- デザインの基礎を入れる。 配色・余白・情報設計を学ぶと、同じ内容でも通る資料になります
3番目については独学でも届く範囲ですが、体系的に短期間で埋めたい人は講座を使う手もあります。仕事につながる範囲を実務ベースで学びたい人向けの選択肢です。
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向く人・向かない人
向いている人は、本業で提案資料や報告資料を日常的に作っている人、相手の意図を聞き出す会話が苦にならない人、修正依頼に淡々と対応できる人です。この副業は納品後の修正が必ず発生します。
向かない人は、デザインの正解を自分で決めたい人、連絡のやり取りを最小限にしたい人、AIの出力をそのまま出したい人です。特に最後は、クレームと低評価に直結します。
よくある質問(FAQ)
Q. パワポの資格やデザインの学歴は必要ですか? A. 必須ではありません。発注者が見るのはポートフォリオ(作った現物)です。ただし「速く作れる」だけでは差がつかないため、構成を考えられることを見せる必要があります。
Q. AIで作ったと伝えると断られませんか? A. 案件によります。募集要項で「AI使用不可」と明記されているものもあります。伝えずに使ってあとで発覚するほうがダメージが大きいので、事前確認をおすすめします。
Q. どれくらい稼げますか? A. 断定できる数字はありません。相場から機械的に計算すれば「1枚2,000円の案件で10枚=2万円、手数料を引いて1.6万円前後」ですが、受注できる件数は実績・時期・営業量で大きく変わります。収入を保証するものではありません。
Q. 会社にバレませんか? A. 副業の可否は勤務先の就業規則によります。住民税の扱いなど手続き面は副業が会社にバレない住民税のやり方|普通徴収の落とし穴を参照してください。
Q. 確定申告は必要ですか? A. 給与以外の所得が年20万円を超えるなど、条件によって必要になります。ツールのサブスク代を経費にできるかも含め、早めに整理しておくと安心です。
まとめ
資料作成代行は、本業のスキルをそのまま持ち込める数少ない副業です。そしてAIの登場で、作業時間は確実に短くなりました。
一方で、AIで誰でも作れる範囲の仕事は単価が下がっていきます。狙うべきは、構成から任せてもらえる関係を作ること。そのためには、手取りで案件を判断する目と、クライアントの情報をAIにどう扱うかというルールを、自分の中に先に持っておく必要があります。
いきなり全部は要りません。まずは架空サービスのサンプルを1本、AIと一緒に作ってみるところからで十分です。手を動かすと、自分がどの単価帯で戦えそうかが見えてきます。
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